- 有機野菜のぶどうの木
- 生産者のご紹介:有限会社鶴田有機農園
熊本県葦北郡 有限会社 鶴田有機農園
2009年12月15日訪問
1900年(明治33年)、日本で初めてレモンの栽培を始めた鶴田有機農園。
おいしい柑橘類を作るためすべての化学肥料と除草剤の使用をやめたのが1972年(昭和47年)。以来ずっと安心して食べられるミカン作りに打ちこんでいます。 レモン、甘夏、ネーブルなど品種も豊富です。
不知火海を見渡すミカン畑で、太陽とミネラルをふくむ潮風をめいっぱいあびて
鶴田有機農園のミカン畑は八代海を見下ろす海沿いの山に点在しています。ミカン畑からはこんな風に八代海が見渡せます。この海にはよく蜃気楼(不知火)が見なれることから不知火海(しらぬいかい)とも呼ばれるそうです。
海からの潮風と、海からの太陽の反射光、そして斜面ならではの日当たりの良さ。この自然条件がおいしいミカンを生み出す大きな要因になっています。
山々の緑とたわわに実るミカンの黄色、そしてその間には青い海が広がる、気持ちがいいきれいなミカン農園です。
ミミズやモグラの住む『良い土』を目指して
化学肥料を使うと土が硬くなり、味が落ちる。除草剤を使うと生き物がいなくなる。手をかければかけただけおいしいミカンができる、と熱く語る鶴田さん。
作物の根と微生物は、互いに栄養を与え合いながら共生しています。この状態を良好に保つのが有機発酵肥料の力だそうです。完熟した質の良い堆肥を使用すると、土の中では微生物をはじめ、様々な生き物が増える。ミミズなどの生き物は土を耕し、団粒構造のある土壌を作り出す。
また、ミミズなどの小動物が増えると、それを餌にして、モグラが増える。ミミズやモグラの住む土は『良い土』。これを目指して土作りを行っているそうです。
安心して召し上がっていただけるようグローバルGAPの認証も取得すみ。「正しく作って、記録して知ってもらう」を実践する農園です。
「ハコベはえるまで肥運べ」の土づくり
除草剤を使わないため草は伸び放題。しかし、ミカン畑に生える雑草がなんでもいいわけではありません。
鶴田さんのミカンの木の下に生えている草は「ハコベ」。ハコベは弱酸性の土壌をこのんで生える植物。微生物は弱酸性土壌にたくさん生育します。
たくさんの微生物が土の中で暮らし、育つことによって様々なミネラル分が土の中に貯まり、その微量栄養素を作物が吸収し、味に「深み」を出します。
「ハコベはえるまで肥運べ」これが鶴田農園の家訓。ハコベがじゅうたんのように生えるまで堆肥を運んで土作りをすることでおいしいミカンができあがります。
たくさんの柑橘が育てられています
レモン(リスボン)の木 | 葉っぱの陰に隠れるレモン | こちらは瀬戸早生。 |
いっぱいに実るレモン。レモンってこんなにたくさん実るんですね。「レモンの葉っぱってレモンのにおいがするんだよ」、って鶴田会長に教えていただいて早速葉っぱを一枚はがしてもみもみ。確かにレモンの香りがしました。 なんだか不思議で面白い。
そして気がついたこと。レモンの切ってとんがった形に剪定されているんです。うまく表現できませんが ひし形に近い。みかんは丸く剪定してあるのに。
鶴田会長に理由をおうかがいしたところ、果樹の形に近い形に選定するらしい。なにがいいのかよく分かりませんでしたが、それが自然の姿らしい。 ふんふん、なるほど。
そしてみかんの樹はみかんの果実にいっぱいお日様が当たるように枝を整えるのに対してレモンの実は葉っぱの陰に隠れるように実っています。 レモンの皮が風ですれたりしないためらしいです。
びじんになあれ、ってことかな。
同じかんきつ類ですが種類によって細かい心配りを行っておいしい物をお届けできるように考えていらっしゃるんです。
「おいしい」と感じていただきたいから、ていねいに
大切に育てたレモンをお客様に「おいしい」と感じていただきたい。だから収穫も出荷も心をこめて行っています。
おいしく色づいたレモンは、ていねいにいとおしみながらひとつひとつ収穫します。
ていねいにていねいに。
そして集められたレモンは、これもまたひとつひつとていねいに布でふいてから出荷します。
皆様に喜んでいただけますように、と思いながら1個づつ。
ほとり社長が作ってくだっさった心のこもったおいしいごはん。農園訪問の楽しみです。 | レモンの木には大きなとげがあります。見えるかな? | 収穫されたレモンが出荷場に集められます。レモンのいい香りが漂います。 |